アドレサビリティと広告テクノロジーの将来

2024年6月18日

ノートブックパソコンを持っている人々

次世代の広告テクノロジーは、高度なAIと機械学習モデルによって強化されます。サードパーティのCookieや広告識別子は必要ありません。テクノロジーがシンプルになり、広告主様が期待する管理と透明性が実現され、ブランド、パブリッシャー、サードパーティサービスがより緊密な関係になります。

サードパーティのCookieを使用しない関連性の高い広告

Cookieは段階的に廃止されつつあり、業界では、もはや関連性の高い広告を配信するために、広告主様、お客様、広告サービスを結び付ける一片の情報に頼ることはできなくなりました。複数のプロパティにわたるショッピングシグナルや広告インタラクションシグナルなどの重要な属性は可視化されていないことから、従来のデジタル広告サービスでは、何が有意義な体験を生み出すのか、どのコンテンツが関連性の高いオーディエンスのコンバージョンを促進するのか、エンゲージメントと売上を最大化するためにどのようにカスタマージャーニー全体で広告を最適化したらよいのかを把握することは困難です。しかしAmazon Adsは、サードパーティのCookieを必要としない、新世代の広告技術の開発にこれまで何年も投資してきました。そして、広告主様がこの変遷を乗り切れるようすでに支援を行っています。

Amazon Adsの新しい「Ad Relevance」は、関連性の高い広告機会を特定するための革新的なアプローチです。「Ad Relevance」は、優れたショッピング体験を生み出す要因に関するAmazon Adsの広範囲に及ぶ理解と、それらのショッピング体験が広告のインタラクション、商品やカテゴリーへの関心、コンバージョンに至るまでの一連の行動とどのように結び付いているかについての深い理解に基づいて構築されています。最新のAIテクノロジーを活用して、閲覧、購入、ストリーミングについての何十億ものシグナルを、閲覧されているコンテンツに関するリアルタイムの情報と組み合わせて分析し、お客様がショッピングジャーニーのどの段階にいるかを把握し、サードパーティCookieを利用することなく、あらゆるデバイス、チャネル、コンテンツタイプに関連性の高い広告を配信します。このテクノロジーにより、すでに「Amazonオーディエンス」、「コンテキストターゲティング」、「パフォーマンス+」など、多くのAmazon Adsサービスが強化されています。このテクノロジーは、以前は匿名だったインプレッションの最大65%にアドレサビリティを拡大し、CPMを最大34%削減し、CPCを8.8%向上させて、有意義な影響を及ぼしています。そしてすべて100%の予算配信の成果を実現しています。

管理と透明性によるシンプル化

メディアやテクノロジーサービスの範囲がますます細分化される中、プログラマティックメディアバイイングをシンプルにすることが必要ですが、管理と透明性にかけるコストを犠牲にする必要はありません。広告主様には、自社ブランドを構築して保護し、投資の価値を把握する務めがあります。そのため、広告を配信するタイミングと場所をコントロールし、キャンペーンの成果を深く理解する必要があります。当社は、プランニング、アクティベーション、効果測定などの基本的なマーケティングタスクをシンプルにし、広告主様が期待する管理と透明性を提供することで、この問題の解決を目指しています。

「パフォーマンス+」は、広告主様がプログラマティックメディアバイイングにおける「Ad Relevance」の力を簡単に活用できるようにするために構築されました。広告主様は広告インサイトを結び付け、達成したいKPIを設定するだけで、あとは当社の高度なAIと機械学習モデルが、期待した成果を実現します。「パフォーマンス+」は、クリエイティブ、有効性、掲載枠、リーチしたオーディエンス、および管理についての透明性の高いレポートにより、プログラマティックバイイングをシンプルにして、オーディエンスに広告が確実に届くようにします。広告主様がAmazon Adsの広告タグとコンバージョンAPIを通じてビジネスシグナルをアップロードすると、「Ad Relevance」の高度なAIと機械学習モデルがこの情報を使用して、キャンペーンが自動的に最適化されます。その好例が、通信会社のCoxです。同社は「パフォーマンス+」を使用して、オンライン/コールセンターのエンゲージメントシグナルに基づいてウェブサイトのビジターを増やし、CPAを40%向上させました。

Amazon Marketing Cloud」は、広告主様が管理できるようにして透明性を向上させ、幅広くビジネス価値を生み出すインサイトを引き出すようサポートする方法を示すもう1つの例です。「Amazon Marketing Cloud」は、ブランドがファーストパーティとサードパーティのシグナルを安全に結合させて、カスタマージャーニーを把握し、オーディエンスを構築して発見し、チャネルのいたるところでそれらのオーディエンスをシームレスに有効化できるようにするクリーンルームサービスです。通信会社のCoxも、オフラインのコンバージョン記録を「Amazon Marketing Cloud」に入力し、カスタムのマルチタッチアトリビューション分析を実施しました。その結果、Amazon Adsの広告を見た後にコンバージョンに至ったお客様は、すべての新規顧客の中で平均して生涯価値スコアが9%高いことがわかりました。

広告主様、パブリッシャー、サードパーティサービスの間でより緊密な関係を築き、広告体験を最適化する

広告チャネルやさまざまなサービスプロバイダーの範囲が細分化される中、広告主様はこれらの関係先へのアクセスと管理をシンプルにするサポートを必要としています。当社は、広告主様とパブリッシャーがこれを実現するのに役立つテクノロジーを引き続き模索しています。

Amazon Publisher Cloud」は、広告主様とパブリッシャーの絆を一層強めるために作成されました。「Amazon Publisher Cloud」は、パブリッシャーが広告主様のシグナルやAmazon Adsのシグナルを使って自社シグナルを分析し、「Amazon DSP」でカスタム取引を作成して、より関連性の高い広告を配信し、大規模にリーチできるようにする、唯一のクリーンルームサービスです。たとえば、パブリッシャーはペットフードや調理器具などの商品を探しているAmazon Adsのオーディエンスに対して、自社のコンテキストシグナルがどのようにインデックスされているかを把握し、それらのインマーケットのお客様にリーチしたいと思っているブランド向けに取引を作成することができます。その後、広告主様は「Amazon DSP在庫ハブ」からこれらの取引に簡単にアクセスできます。Dotdash Meredith、FOX、AdRise経由のTubi、Hearst Magazines、NBCUniversal、Newsweek、Warner Bros.Discovery、The Washington Postなどは、Amazon Publisher Cloudをすでに使用しています。

また、「Amazon Publisher Services Connections Marketplace」を通じて、当社はパブリッシャーが広告IDプロバイダーなどのサードパーティの広告サービスと簡単に接続できるようにもしました。広告主様が希望するオーディエンスにはたらきかけるための選択肢は広がっています。最近、「Signal IQ」のベータ版がリリースされました。これは、パブリッシャーがサードパーティの広告識別子から始めて、サプライサイドシグナルのパフォーマンスを定量化するのに役立つ新しい効果測定ソリューションです。パブリッシャーが「Signal IQ」を活用すると、シグナル投資の測定、ベンチマーク評価、最適化を行い、戦略を練り、広告主様のニーズにより的確に応えることができます。

アドレサビリティと広告テクノロジーの将来は、適切に利用されるなら、お客様、広告主様、パブリッシャーに利益をもたらします。Amazon Adsは、この興味深い課題に取り組むために探求と創案を続けています。当社は大きな進歩を遂げましたが、完成にはまだ道半ばです。Amazon Adsは、世界中のお客様とブランドとの間に有意義なつながりを築くよう努め、今後も広告業界のイノベーションの中心であり続けます。