Triciaisabirdyは高給の金融職を辞めて、有名なTwitchシェフに転身。ブランドがその実現をサポート。
2024年4月15日 | 投稿者:Matt Miller、シニアコピーライター
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Twitchで有名になるには何が必要でしょうか? Going Liveシリーズへようこそ。ここでは、人気のTwitchクリエイターがどのように自分のコミュニティを見つけ、視聴者、ストリーマー、ブランドがリアルタイムでつながることができるスペースを作り上げていったかを説明します。
アラスカで12月の寒い日に、TwitchではTriciaisabirdyとして知られるTricia Wang氏が、凍った湖の上で、暖かい格好をして折りたたみ椅子に座っています。大きなイヤーマフと鮮やかな色のジャケットを着ていますが、断熱性のテントに小さなヒーターのおかげで、北極近くの最悪の気候からある程度守られています。南カリフォルニア出身のWang氏にとって、このような寒さへの備えは万全ではありませんが、それでも地元の人の指導のもと氷上釣りをしながら、熱心なTwitchコミュニティに向けてライブストリーミングをして、楽しい時間を過ごします。
「わー、魚がいる! 大きいニジマスよ」と、氷の小さな穴からその日に獲れた最初の魚を釣り上げている様子を見て、うれしそうに言います。「後で食べよう」
氷の上で、獲れた魚をすぐに焼きます。プロの訓練を受けたシェフのWang氏は、氷上に作られた簡易キッチンから漂う香りにうっとりしています。
「信じられないほどおいしい。この魚、すごく柔らかくて、とってもジューシーなの」と語り、新鮮そのものと言える食事を味わいました。
普段は視聴者に向けて料理(凍った湖ではなく、自宅で)やゲームをしていますが、この特別なストリーミングは、H&R Blockがスポンサーを務めるTwitchの旅行番組、Tricia Travelsに含まれています。
「氷上釣りはとても楽しかったです。アラスカの氷の上で魚を釣って、調理する様子をライブストリーミングで配信できました」と、数か月後、太陽が降り注ぐカリフォルニアの暖かい場所に戻ったWang氏は思い出します。「ある時、ハクトウワシを見かけて、餌の魚をあげました。これをストリーミングできるのは、素晴らしいことです。というのも、普通はカメラを構える必要があって、そういう瞬間を撮影できないからです。でも、Twitchのライブ中なので、大事な瞬間を撮影できます。すごい体験でした」
Tricia Travelsでは、ハワイの農場、日本の魚市場、韓国のB級グルメの屋台など、世界中の素晴らしい場所に行き、その過程でブランドと提携してきました。
現在では、Twitchで13万3,000人のフォロワーを持つ料理インフルエンサーとして世界を飛び回る生活を送っていることを考えると、ほんの数年前、投資マネージャーとして金融業界で働いていたとは、信じられないかもしれません。
TwitchではTriciaisabirdyとして知られるTricia Wang氏が、ライブストリーミングのユニークな経験と、ブランドがクリエイターと連携してオーディエンスにリーチする方法について語ります。
金融業界から日本へ、そしてプロのTwitchシェフへ
経済学と会計学の学位を取得して卒業したWang氏は、金融業界でのキャリアをスタートして3年が経過した頃、ある人から答えにくい質問をされました。 これからの人生で、自分がこの仕事を続けていく姿を想像できますか?という質問です。
「経済的には、もちろん、という感じでした。覚悟はありました。でも、幸せというわけではなかったんです」と、ポートフォリオ管理の仕事に情熱を感じられなかったことを振り返りながら、Wang氏は語ります。
Wang氏にとって料理は、友人や家族、または自分自身のためであっても、常に人生において有意義な部分を占めてきました。「私の友達は料理が下手で、でも外食は高かったんです。そして、私の家庭では、料理を作ったらお皿洗いをする必要がありませんでした。だから、料理が大好きになりました」と、Wang氏は言います。さらに、昼間の仕事の後で、夜に寿司レストランで働き始め、腕を磨くこともしました。
そして2018年、デスクワークをやめて、料理学校に通うために日本に移住しました。
「頭がおかしくなったと思った人が多かったようです」と、Wang氏は言います。「でも、金融職よりも寿司職人の仕事の方が好きだったので、『大丈夫、これは正しい決断なの』と思っていました。
こうして、Wang氏は東京に移り住みました。そこでの料理学校は厳しく、友人や家族のために料理をするよりもずっとハードでした。
「料理学校はサマーキャンプみたいなものかと思っていました」と、Wang氏は言います。「でも、先生たちは生徒のエプロンにアイロンがかかっていることを確認してから一日を始めます。シミがあれば、評価が下がります。和食では、桂むきという技法を使います。大根を包丁だけで表面から薄くむいて、切れないようにまっすぐな帯状にしていきます。本当に難しかったです。それができれば、本物の料理人だと言われるので、毎日練習しなければならなかったんです」
Wang氏は、間違いなく本物のシェフです。プログラムを修了し、料理学校を卒業後、レストランで働いた後、最終的に米国に戻り、ロサンゼルスのミシュラン2つ星レストランで働きました。
しかし、2020年代初めの多くの成功事例と同様に、パンデミックですべてが台無しになりました。
「世界中がロックダウンに追い込まれたとき、レストランはデリバリー営業のみだったので、もう何も学ぶことはありませんでした」と、Wang氏は言います。「仕事を辞めてしばらく家にいたら、大勢の人から『何かコンテンツを作ったほうがいい』と言われました」
動画の撮影を試してみたところ、編集が面倒で疲れることに気づきました。数人の友人からコンテンツ会社で専属シェフとして働くよう誘われたとき、食事を作っている間、自分でライブストリーミングを始めることにしました。
「すぐに、スマホを卒業してウェブカメラに移行し、画面が2つになり、ストリーミングが非常にうまくいき始めました」と、Wang氏は言います。「専属シェフよりもストリーマーになる方が理にかなっています。私は本当に運がよかったと思います。レストランで働くと、かなりの長時間労働になり、給料も安いうえ、同じメニューを何度も調理することになりますから。でも、Twitchを使えば、自分の好きなものを何でも料理できます。しかも、食べるのは自分です。そして、生きていくのに十分なお金を稼いでいます」
ブランドのスポンサーシップが、世界を飛び回るTwitchシェフのサポートに貢献した経緯
Twitchを始めたばかりの頃、Wang氏はストリーミングで1日2回、ランチとディナーの調理工程全体を視聴者に配信していました。やがて、ゲーム実況を試し、他のストリーマーとのコラボレーションを始めたところ、より多くのオーディエンスに認知されるのに役立ちました。ストリーミングを始めてから2年が経った頃、ある視聴者から、スーパースターのセレブシェフ、Gordon Ramsay氏によるNext Level Chefという新しい料理コンテストに応募するためのリンクが送られてきました。
Wang氏は、リアリティ料理コンテストで何か起きるか予想もつきませんでしたが、才能あふれるベテランシェフたちによる11回のエピソードのコンテストで、9回まで勝ち上がりました。さらにWang氏は、Ramsay氏にTwitchについて説明する機会も得ました。
そして番組の成功を背景に、フルタイムでストリーミングに従事し、自身のコミュニティの拡大に努めてきました。安心してメンタルヘルスについて話せて、雑談や料理、ゲーム、旅行ができるスペースを作り上げました。
「多くのソーシャルメディアサイトでは、クリエイターの人生のスナップショットが表示されます。そこでは、万事がうまくいっている瞬間が見られますが、Twitchでは、すべてが完璧とは限らない人生のうちの何時間かを見せていることになります」と、Wang氏は言います。「私はメンタルの問題を抱えています。税金も払っています。そして時々トイレに行かないといけません。人生の浮き沈みをコミュニティと共有することは本当に重要です。これは、Twitchストリーマーが『難しい時期を経験しても大丈夫、あなたは一人じゃない』、とコミュニティに伝えるのに役立ちます。私のコミュニティでは、メンタルヘルスについてよく話しています。特に、メンタルの問題に偏見を持たれがちなアジアのコミュニティではそうです」
そして、食べ物についてもたくさん話します。最近、海南チキンライスを作るストリーミングでは、Wang氏はまな板が滑らないようにするためのヒント(下に濡れたペーパータオルを敷く)を紹介し、玉ねぎを切るときのアドバイスを教えました(口に水を含むと、目が痛くならない)。その多才さゆえに、チームファイトタクティクスをプレーしながら、ロサンゼルスのエリアで安いホタテを手に入れるのに最適な場所も視聴者と共有することもできてしまいます。
このようなコンテンツの多様性は、Wang氏がさまざまなカテゴリーの各種ブランドとの関係を築くのに役立ってきました。ここ数年、ブランドとの関係性はスポンサー提供のライブストリーミングという形をとってきました。コミュニティに商品やサービスを紹介するサポートをするほか、長期間のカスタマイズされたスポンサーシップやアンバサダーシップも行われています。
最も記憶に残るのは、H&R Blockがスポンサーを務めたTricia Travelsです。「納税時期の直前だったので、本当にぴったりなコンテンツでした。税金の還付金を旅行に活用する方法や、出張中の支出はすべて税控除の対象になることについて話すことができました。実際、金融職の経験もあるので、とても話しやすかったです」と、Wang氏は言います。「シェフが提携するスポンサーは鍋とフライパンと食品、またはナイフとフライパンだけだと思うかもしれませんが、私はバラエティーストリーマーなので、ほとんどすべてのブランドをコンテンツに関連付けることができます」
世界中のファンを対象に実施した2023年のAmazon AdsおよびTwitch Adsによる調査、ファンカルチャーとブランドがひとつの輪になる要素では、55%がファンダムに関連するコンテンツのスポンサーを務めるブランドを検討する傾向が高いと答えています。ファンの62%が、自分のファンダムに長期にわたって関わってきたブランドについて肯定的に感じています。
「Twitchはブランドの認知度だけでなく、ブランドロイヤルティも維持しています。Twitchを視聴している人は、それこそ何時間も見ています」と、Wang氏は言います。「ブランドがすべきことは、スポンサーシップを行う際は長期的に行うべきだということです。十分な頻度でブランドが表示されれば、ストリーマーの生活の一部となり、ストリーマーのブランドにもなります。私がAlienwareのコンピューターを使っていて、HexCladのフライパンで料理をしていることは皆が知っています。視聴者がブランドとかかわり、商品について知る時間が長いことを考えると、ブランドがその重要性を理解すべき理由に納得できると思います」
Wang氏は、ブランドによるスポンサーシップは、自身のコミュニティにとっても、楽しい要素になると付け加えています。景品があるときはいつもファンが盛り上がり、新製品について話を聞きたがっている、と言います。「視聴者にとって別のメリットは、Tricia Travelsの番組のように、金融の要素をプラスすることで、私のコンテンツを多様化し、スポンサーなしでは配信できなかったようなコンテンツを視聴者に提供できることです」と、言います。「本来、世界中を旅して、いろんな食べ物を試すような金銭的な余裕は私にはなかったと思いますが、H&R BlockのおかげでTricia Travelsを配信できましたし、Twitchのおかげで日本の人気レストランや氷上釣りのやり方を紹介できました」
今、Wang氏はTricia Travelsの次回シーズンを楽しみにしており、ひとまずは、レストランや金融業界で働いていた日々は過去のものとなっているようです。
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