大人のZ世代とミレニアル世代は、経済の不確実性にどのように対処しているか
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世代について話す際には、固定観念や先入観にとらわれがちです。( 「Z世代は、ソーシャルメディアのスクロールばかりしている」などのコメントをご存知でしょう)とはいえ、Z世代だけで推定3,600億ドルの購買力があり、2030年までに世界人口の4分の1を占めると聞いたらどう思いますか?1急に、その世代の影響力が非常に重要になります。特に、大人のZ世代やミレニアル世代が、それより上の世代が経験しなかった経済の不確実性に対処している状況ではなおさらです。
eMarketerによると、値上がりにより、成人の58%でブランドに対するロイヤルティが低下しています。2消費者物価指数では、2022年11月の物価上昇が予想を下回ったと報告されました。それでも物価指数は前年比で7.1%上昇しており、3ブランドにとっても消費者にとっても将来が不確実であることを示しています。
Amazon AdsとKantarは、消費者が現在の経済情勢にどのように対応しているかを詳細に把握するため、2022年11月から2023年1月にかけて、全世界の回答者12,000人を対象に調査を実施しました。以下に、大人のZ世代(18~25歳)とミレニアル世代(26~41歳)の回答者が現在の状況にどのように対処しているか、重要なポイントをいくつかご紹介します。
大人のZ世代やミレニアル世代は、それより上の世代より購入ボタンを押す前の情報収集に多くの時間をかけている
大人のZ世代とミレニアル世代の回答者の3分の2強(70%)が、実際に購入する前に商品や価格に関する情報を収集するために毎週平均1時間以上かけていると回答しています。一方、ベビーブーマー(58~65歳)とX世代(42~57歳)の回答者の半数近く(49%)は、同じことをするのにかける時間が週に1時間未満と回答しています。
商品や価格の選択肢についての情報収集に毎週費やした時間
食料品カテゴリーを例にとってみましょう。キッチンのテーブルでクーポンを切り取ることは過去の世代の遺物のように思えるかもしれませんが、大人のZ世代とミレニアル世代の回答者の44%によると、購入する前に商品の選択肢や価格に関する情報を集める時間は増加していることが裏付けられています。もちろん、この結果は優先すべきことが変化したことを反映しており、この層の回答者の半数(50%)が過去3か月で料理する時間が増えたと答え、ほぼ半数(48%)が体験(旅行、外食など)への支出が減ったと回答しています。
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Z世代やミレニアル世代はセールを探している
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全米小売業協会とProsper Insights & Analyticsのレポートによると、2022年の感謝祭の週末には、過去最高の1億9,670万人のアメリカの消費者が店舗やオンラインで買い物をしました。これは、前年より1,700万人多くなりました。2022年の感謝祭からサイバーマンデーまでの間、Amazon内での売れ筋カテゴリーは、ホーム、ファッション、おもちゃ、ビューティー、Amazonデバイスなどでした。大人のZ世代とミレニアル世代の回答者の3人に1人(35%)が、購入を延期してブラックフライデーやサイバーマンデーなどのショッピングイベント中のセールやプロモーションを待つと回答しています。この時期は、ブランドが若い成人世代とつながる重要な瞬間です。
大人のZ世代とミレニアル世代におけるコスト削減の判断
コストを減らす対策を考える際、若い成人世代は有料ストリーミングサービスのサブスクリプションを控えることを検討する場合があります。実際、大人のZ世代とミレニアル世代回答者の41%が、経済の不確実性を踏まえて、サブスクリプション料金が必要なストリーミングサービスを今後3か月以内にキャンセルすることを検討していると回答しています。Freeveeなどの広告付き動画オンデマンド(AVOD)サービスは、無料のプレミアムストリーミングコンテンツと一緒に広告主様のブランドにスポットライトを当て、無料TVに切り替えるすべての人とつながるチャンスを広告主様に提供します。
バリューベースのブランドは、若い成人世代に支持されている
経済の不確実性が消費者の意思決定に重くのしかかる一方で、ブランドバリューは若い成人世代にとってこれまでと同じように重要です。大人のZ世代とミレニアル世代の回答者の約3分の1(33%)は、ブランドの価値観が自分の価値観と一致すれば支出を増やす意思があると答え、39%はブランドがサステナビリティを実践し、持続可能な商品やサービスを提供すれば支出を増やすと回答しています。
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大人のZ世代とミレニアル世代の回答者の33%は、ブランドの価値観が自分の価値観と一致すれば、支出を増やす意思がある
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大人のZ世代とミレニアル世代の回答者の39%は、ブランドが持続可能性を実践し、持続可能な商品やサービスを提供すれば支出を増やす気がある
結論と推奨事項
成人購入者の中で、大人のZ世代とミレニアル世代のオーディエンスが最若年層を占めていますが、 この層の購買力と購入の検討がかつてなく重要であることに間違いはありません。大人のZ世代とミレニアル世代の消費者は、経済が不透明なこの時代に対処するにあたり、苦労して稼いだお金をどこに支出するかを優先して考えるようになります。この世代は、購入ボタンを押す前に商品や価格に関する情報収集に多くの時間をかけるため、ブランドや広告主様は目的を持ってブランドバリューを確実に伝え、購入の検討とブランドロイヤルティを促進することが重要です。
1 Edelman、「The Power of Gen Z」、米国、英国、中国、フランス、ドイツ、メキシコ、2021年
2 eMarketer、「Top 8 Trends to Watch for 2023」、米国、2022年
3 CNBC、米国、2022年