ガイド
マーケティングファネルとは 仕組み、段階、事例
マーケティングファネルは、マーケティングプロセスの重要な部分です。お客様が購入までの過程でたどるコースについてわかりやすく概説しています。突き詰めると、マーケティングファネルは、カスタマージャーニーに沿ってお客様とつながり、働きかけるのに役立つフレームワークです。
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このガイドでは、マーケティングファネルの各段階の詳細と、マーケティング担当者がフルファネル広告のアプローチで成果を最大化するうえでAmazon Adsがどのように役立つかについて説明します。
マーケティングファネルとは
マーケティングファネルとは、消費者が認知の段階からロイヤルティまで移行する購入サイクルです。マーケティングファネルのコンセプトは100年以上前からあり、その目的は、認知から検討、決定、ロイヤルティまで、ショッピングジャーニーに沿って主要なマイルストーンを簡単に分類することです。
マーケティングファネルが重要な理由
カスタマージャーニーは、マーケティングファネルで表現されている簡略化されたものほど直線的ではないかもしれませんが、今なおこの概念は重要です。デジタルでの購入までの過程は決して直線的ではありません。デジタルマーケティングファネルでは、消費者がファネルに出入りし、移動するという事実を考慮して、購買活動は単一のストアや地域に限定されません。
お客様はいつでもどこでも買い物できるので、ブランドはカスタマージャーニーのすべての段階でどのようにお客様にリーチできるかを考える必要があります。デジタルマーケティングファネルでの検討段階では、消費者はオンラインで広範な調査と比較を行っているため、ストア内での商品の比較に留まりません。多くのブランドは、この新しい購買方法に適応して、ファネル全体にわたって、信頼性と価値の高い方法でお客様とつながることで、このあまり直線的でない購入までの過程を重視してきました。
マーケティングファネルは、見込み客の獲得と育成の両方において重要です。認知および検討の段階では、ブランドはキャンペーンを使用して新しい見込み客の関心を集めます。決定およびロイヤルティの段階では、ブランドはキャンペーンを使用して現在の見込み客との関係を育み、最終的にはお客様をブランド支持者に育てるのに役立ちます。デジタルマーケティングとマーケティングファネルは、どのチャネル、戦略、コンテンツが、ブランドにとって最も強い関心や会話、そして最終的には売上を促すのかについて、関連性を理解するために不可欠です。
マーケティングファネルの段階
普遍的に使用されているファネルの形式はありません。3、4、5、またはそれ以上のステップや、さまざまな説明が含まれ、消費者がショッピングジャーニーでたどる過程です。ここでは、認知、検討、コンバージョン、ロイヤルティの各段階を含む、4段階のマーケティングファネルについて概説します。
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認知
ブランドの認知は、ブランドがどれほど知られているかを示すもので、ブランドの名称、メッセージ、トーンおよびスタイル、価値、文化などが対象になります。ブランドの認知には、消費者調査から始まり、お客様のブランドへの関心を引き付け、ブランドを認知し、記憶するようサポートする取り組みが含まれます。ここでの目標は、購入までの過程に沿って関連するカスタマータッチポイントを導入することで、最初に思い浮かべるブランドにすることです。
認知を促すために、ブランドは消費者の目の前に広告を表示したいと考えます。これには、テレビ広告(リニア広告およびストリーミングTV広告の両方)、デジタル広告、音声広告、ソーシャルメディアキャンペーン、コンテンツマーケティングなどが含まれます。購入者の84%が、ブランド自体のサイトではないデジタルチャネルにおいてオンラインで商品を検索し始めることを考慮すると、これらのタッチポイントはますます重要になっています。1
認知段階が終了する時点での目標は、お客様にとって最初に思い浮かべるブランドであり続けることです。それにより、お客様が商品を購入する際に、ブランドのことを考えてもらえます。
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検討
検討段階でのマーケティングの目標は、消費者が買い物の際に特定のブランドとその商品を検討する可能性を高めることです。マーケティングのメッセージでは、問題点に対処したり、関心を引き出したり、消費者の疑問に答えたりする必要があります。この段階では、お客様はブランドを知り、類似ブランドとの差別化を図る要素を見つけようとしています。ブランドは、自社の商品やソリューションがお客様のニーズに対応する仕組みを理解してもらうのに役立てるため、検討段階で情報を提供する必要があります。
ミッドファネルの検討段階におけるマーケティングソリューションの例には、肯定的なカスタマーレビュー、お客様の声と導入事例、オンラインセミナーなどがあります。Amazon Adsでは、スポンサーブランド広告やAmazon DSPを通じての動画広告、ディスプレイ広告などのソリューションを提供しています。これらの広告商品は、お客様が購入する商品を積極的に閲覧し、リサーチしている際にタッチポイントを作成するのに役立ちます。
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コンバージョン
コンバージョン段階の目標は、選択したブランドが問題への適切なソリューションである、またはニーズを満たしているとお客様に感じてもらうことで、購入者に商品やサービスの購入を促すことです。このステップは、「決定」または「購入」段階とも呼ばれ、ブランドが独自のカテゴリーで注目を集め、同業他社の商品との差別化に役立つ戦略に投資する機会です。この段階では、Webサイトの詳細な商品ページが重要であり、優れたカスタマーサービスエクスペリエンスを構築して、お客様が安心して購入を決定できるよう促します。
コンバージョンは、購入に直接つながった広告のクリックを追跡できることが多いため、ファネルを測定するのに比較的簡単な段階になる場合があります。ただし、前の2つの段階でのお客様とのインタラクションは、お客様が最終的にコンバージョンするかどうかに直接影響することを覚えておくことが重要です。
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ロイヤルティ
ブランドはシームレスな購入体験を提供して、上質の商品やサービスを提供することで、ロイヤルティを促進できます。購入後にフォローアップし、消費者とのつながりを育むことで、購入者にとって最初に思い浮かべるブランドであり続けることができます。
購入段階とそれ以降のポジティブなインタラクションは、購入者がリピート顧客になるかどうかに影響を与えるうえで役立ちます。顧客ロイヤルティを促進する計画がなければ、多くのお客様が1回のみの購入で定着しないままとなる可能性があります。平均して、新規顧客を獲得するには、既存顧客を保持するよりも5倍のコストがかかります。2 そのため、一部のマーケティング担当者はこの段階を「エンゲージメント」段階と呼んでいます。ロイヤルティを構築するには、ブランドの商品やサービスに投資したお客様に働きかけ続けることが重要です。
メール育成キャンペーン、ソーシャルメディアアクティベーション、ロイヤルティプログラムなどの効果的なエンゲージメントマーケティングは、お客様とのブランドロイヤルティを構築する際に大きな影響を与えます。この段階が終了する時点での目標は、ブランド支持者と生涯顧客につながる、満足度の高いロイヤルカスタマーを獲得することです。
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マーケティングファネルには、次の4つの段階があります。 1)認知、2)検討、3)コンバージョン、4)ロイヤルティ。各段階でのブランドの目標は、お客様を1)引き付け、2)情報を提供し、3)売上につなげ、4)働きかけることです。
マーケティングファネルと売上ファネルの違い
「マーケティングファネル」と「売上ファネル」を同じ意味で使っている人もいます。実際、マーケティング売上ファネルという1つの言葉にまとめる人もいます。実際、これらは全体の2つの部分です。企業や組織のマーケティングおよび営業部門は、独自の目標を設定しており、各ファネルはその目標に対応しています。マーケティング部門は、ブランドを作成して管理し、認知を促したら、SQL(営業活動で得る見込み客)を獲得するという目標を掲げています。一方、営業部門は、初回購入とリピート購入の両方において、商品やサービスの販売増加に焦点を合わせています。一方の部門からもう一方の部門に情報を共有すると、チームが相互に同期され、最適なカスタマーエクスペリエンスを提供するのに役立ちます。
マーケティングにフルファネルアプローチを導入する方法
マーケティングファネルは、オーディエンスにはたらきかけるのに役立つフレームワークです。その一方で、カスタマージャーニーとファネルは置き換え可能な概念ではありません。現在、カスタマージャーニーは認知から検討を経て購入に至るまで直接的に移行することはほとんどありません。購入者はどの段階からでもファネルに入る可能性があり、段階を完全にスキップしたように見えることもあります。つまりファネルは、お客様の潜在的な購入までの過程において確実にリーチするのに役立つフレームワークですが、ファネルを完全に反映したカスタマージャーニーは稀です。
購入者が商品を購入する前に行うステップを予測することはできないかもしれませんが、フルファネルマーケティングアプローチでは、潜在顧客がブランドとやり取りできるさまざまな方法を考慮します。これは、お客様にアプローチする機会を認識し、どこにいてもお客様にリーチするのに役立ちます。
フルファネルアプローチの成功例は、Osmoです。同社のチームは、競争の激しいSTEM玩具分野で差別化を図れるようにフルファネル戦略を導入し、購入のさまざまな段階で新規顧客と既存顧客にリーチしました。Osmoがブランドの認知度を向上させるのにAmazon Adsがどのように役立ったかをご覧ください。
フルファネルマーケティングの効果測定
効果測定と分析をしなければ、ブランドのフルファネルマーケティング戦略の有効性を把握できません。フルファネル戦略の効果を測定し、最適化するための3つのアプローチをご紹介します。
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チャネルが互いにどのような影響を与えるかを理解する
フルファネルアプローチでは、ファネルのどの段階でもお客様にリーチするために、多くのチャネル全体で広告を表示する場合もあります。各チャネルがブランドの注目すべきパフォーマンス指標(KPI)に与える影響を適切に測定するには、成功のベンチマークを早期に決定することが重要です。ファネルの各段階には、独自の成功指標があります。
トップオブファネル(TOFU)
広告主様が消費者のブランドの認知度を向上させる必要がある場合、TOFU指標は次のように測定されます。
- ユニークリーチ
- 完了率
- クリックスルー率(CTR)
ミドルオブファネル(MOFU)
MOFU指標は、消費者の購入の可能性が高いタイミングを示すのに役立ちます。これらのベンチマークは、次の項目を測定します。
- 商品詳細ページの閲覧数
- ブランド新規顧客の割合
- ブランド検索インデックス
ボトムオブファネル(BOFU)
ファネルの終了した時点での効果を測定し、計算するマーケティング指標は次のとおりです。
- 広告費用対効果(ROAS)
- 広告費売上高比率(ACOS)
- 顧客獲得コスト(CAC)
- コンバージョン率
- 注文数または注文された商品点数
TOFU、MOFU、BOFUベンチマークを比較することで、広告主様はファネルのすべての段階で広告費を最適化できます。
チャネルのパフォーマンスを最適化する方法の1つは、Amazonアトリビューションを利用することです。これは、Amazon外のメディアチャネルやマーケティングチャネルがAmazon内での売上にどのように貢献しているかをブランドが把握するのに役立ち、クロスチャネル広告を最適化できます。
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ショッピングジャーニーの各段階に合わせてメッセージをカスタマイズする
ブランドは広告サーバーを使用すると、関連性の高い広告を配信し、ショッピングジャーニーのどの段階にいるかに応じて、適切なメッセージでオーディエンスにリーチできます。たとえば、ブランドは広告サーバーを使用して、以前に自社商品を閲覧したことのあるオーディエンスに対して、以前に商品を閲覧していないオーディエンスとは異なるCTA(コールトゥアクション)や画像を表示するというルールを作成できます。これにより、ブランドは購入者が購入までの過程のどの段階にいても、つながることができます。
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同業他社と広告費を比較する
さまざまなツールにより、ブランドは自社商品のカテゴリーにおいて、一連の同業他社と比べてどの程度の広告費がかかっているのかを把握できます。これは、マーケティング担当者が売上、ブランド検索などで、指標を超えているか届いていないかを認識するために役立つ情報です。
Amazon Adsがフルファネル戦略でブランドを支援する仕組み
現在、フルファネル戦略は、ビジネスを成長させるための強力なフレームワークとなっています。フルファネル戦略は、現在のオムニチャネルジャーニーに適しているだけでなく、このアプローチを採用する広告主様は、ブランドの認知度が最大3倍、検討が2倍、購入が2倍というように、ファネル全体でより優れた結果を得ています。3
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1 eMarketer、2020年10月 - 「Where do US consumers begin their product searches?(米国の消費者はどこから商品検索を始めるか?)」
2 Invesp Consulting、「Customer Acquisition vs.Retention Costs – Statistics and Trends(顧客獲得コスト対顧客維持コスト - 統計とトレンド」、2020年11月
3 Amazon Internal、2020