注目すべき2023年のストリーミングTV広告トレンド

2023年1月12日更新 | 投稿者:Matt Miller、コンテンツおよび編集シニアマネージャー

動画ストリーミング

Amazon AdsのストリーミングTVアドテックのプロダクトリーダーであるDanilo Tauroは、特に動画によるストーリーテリングの力を確信しています。

「広告は多くのオーディエンスに届きます。長編動画は非常にインパクトがあり、消費者にインスピレーションを与える力があります」とTauroは言います。特にストリーミングは、消費者とつながり、有意義なメッセージを共有するための創造的な方法を見つける機会をブランドに提供すると彼は説明します。インタラクティブ広告やその他の最先端の動画広告ソリューションのいずれであっても、これからのストリーミングTVがブランドのストアにどのような影響を与えるのだろうかと、Tauroはワクワクしています。

2023年以降に目を向けると、ストリーミングTV広告の支出は2025年には340億ドルに達すると予想されています。1 Amazon Adsの広告プロダクトを活用したストーリーの紹介を通じて消費者とつながる方法について、Tauroよりブランド向けにポイントを紹介します。

はじめに、経歴、Amazonに入ったきっかけ、会社における役割について少し教えてください。

私は、約10年前にProcter&Gamble(P&G)でメディアと広告の仕事を始め、ヨーロッパからグローバルに活動を広げました。私の役割は、P&Gブランドをアドテックやマーケティングテックソリューションと結び付け、統合し、同期させることでした。その後、それまでの購入側の経験を活かして、顧客中心のコネクテッドTV(CTV)アドテックプロダクトの構築に貢献するため、Amazon Adsへ加わりました。Amazon Adsの広告プロダクトを組み合わせて、広告主様の課題を革新的な方法で解決できるように、グローバルなストリーミングTVアドテックプロダクトのロードマップと市場進出戦略を主導しています。

ストリーミングの今後に関する質問へ移る前に、2022年に見られた傾向を教えてください。 2022年に視聴の習慣はどのように変化しましたか?また、視聴者へのリーチに向け、ブランドはどのような新しい戦略を採用しましたか?

過去1年間で、ほぼすべてのコンテンツが、何らかのバージョンのストリーミングモデルに移行していることが明らかになっています。これを推進しているのは、以下であると考えます。

  • 消費者: ビデオオンデマンド(VOD)への期待がケーブルTV解約の一因となっています(何を、いつ、どのように視聴するかは、視聴者次第です)
  • テクノロジー: ストリーミングのテクノロジーが向上するにつれて、スポーツ観戦の体験が改善されました(以前は、わずかな遅延が視聴体験に影響していました)
  • 広告主/メディア: 利用者数が多く、かつ影響力のあるテレビ購入者は、さらなる柔軟性を求めて、先行投資(テレビネットワーク、CTV、ストリーミングサービスが、番組や広告商品を広告主や代理店に売り込む時期)の見直しを始めています
  • 広告主様/ブランド: CTVは、新しい広告の創造性(インタラクティブ、ダイナミッククリエイティブなど)を刺激します

Statistaによると、米国の動画広告予算全体に占めるリニアTV予算の割合は、2020年が71%、2021年が62%、2022年が57%でした。2 一方、CTVの広告費は急速に増加しています。Statistaによると、過去5年間で約600%成長し、今年は190億ドル、2025年には340億ドルになると予想されています。3 現在の成長率/減少率では、2025年までにリニアTVとCTVの予算はほぼ同等になります。パブリッシャーの戦略とそれに付随するテクノロジーの動態(5Gや拡張現実など)が、これらの変化を加速させるに違いありません。

ブランドにはどのような影響がありますか? これにより、CTVとそれに関連するすべての機会、主にプログラマティックな購入、オーディエンス、効果測定、フルファネル最適化、新しいクリエイティブフォーマットなどに関連する機会のテストや調査を開始するのが有益となります。

消費者向けのストリーミングの選択肢は数多くあります。広告主様はどのようにしてキャンペーンを管理し、これらのストリーミングパブリッシャー全体でパフォーマンスを最大化できるでしょうか? AmazonストリーミングTV(STV)広告は、ブランドの認知向上や、より多くのオーディエンスへのリーチにどのように役立ちますか?

これは、非常に重要な「フラグメンテーション」に関係があります。 多くの場合、ブランドはアプリの断片化を思い浮かべると思いますが、CTVは「オペレーティングシステム」の観点からも断片化されています。モバイルとデスクトップの主要なオペレーティングシステムは2つに対して、CTVには8~10個の異なるオペレーティングシステムが存在するため、効果測定が複雑化しています。

Amazon Adsは、広告主様がプログラマティック保証型およびプライベートマーケットプレイスの取引を通じて購入し、プレミアム3P(サードパーティ)パブリッシャー(Amazon Publisher Direct)との直接統合で、FreeveeTwitchの独占インベントリのようなメディアプロパティ全体でオーディエンスにリーチするのに役立ちます。この直接統合は、FreewheelやAdXなどの3Pエクスチェンジとの統合とともに、これらの3Pパブリッシャーからの独占インベントリも提供します。さらに、モデル化されたオーディエンス経由の幅広い年齢(18+)や性別のオーディエンス(アッパーファネル、ブランド構築キャンペーン向け)から、ショッピングインサイトに基づく、より厳選されたAmazonオーディエンス(ロワーファネル、パフォーマンスマーケティングキャンペーン向け)まで、さまざまなオーディエンスにつながる機会を提供できます。

これまで、チーム、代理店、KPI、テクノロジーソリューションが別々であったため、広告主様はトップファネルキャンペーンとボトムファネルキャンペーンを個別に管理する必要がありました。今では、すべてのSTV支出をAmazon Adsにまとめることができるようになりました。過去12か月間、私たちはブランド構築とアッパーファネルソリューションの開発に多大な努力を積み重ねてきました。これにより、ファネル全体にわたって広告主様を支援できるようになりました。その中でも、広告主様が幅広いオーディエンスにリーチできるよう支援することに注力しました。リーチの重要性を裏付ける調査やケーススタディは数多くあります。それに伴い、Amazon Adsでは、3P STVメディアパブリッシャーを横断して消費者にリーチするのに役立つソリューションも構築しました。さらに、Amazon Marketing Cloud(AMC、Amazon Adsのクリーンルームテクノロジー)などのソリューションを利用することで、独自のインサイトに対する効果測定が可能となり、計画、購入、最適化の改善に役立ちます。

私が興味を持っているのは、中小企業がストリーミングソリューションをどのように利用できるかということです。ストリーミングには費用がかかり、大手ブランド専用という認識があると思います。中小企業がストリーミングを利用してオーディエンスを増やすにはどうしたらよいでしょうか? どのようなツールを利用できますか?

大手の広告主様がSTVの予算の大半を占めていることは間違いありません。しかし、Amazon AdsのストリーミングTVソリューションでは、「パフォーマンスSTV」を利用可能にし、サポートします。 小規模の広告主様は、ストリーミングTV広告の購入を通じたROAS(広告費用対効果)の最適化や、ファーストパーティのオーディエンスの発見、売上拡大に貢献しているチャネルの把握が可能です。

現在の不透明な経済状況の中で、多くのブランドが予算を可能な限り効率的に活用するように取り組んでいることと思います。ブランドがストリーミングとCTVに費やす広告費の効果を最大化する方法にはどのようなものがありますか? そして、この状況の中、どうすれば消費者とのつながりを維持できるのでしょうか?

広告主様の間でよく語られるのは、「広告に費やした1ドルのうち50セントが無駄となったが、それがどの50セントかわからなかった」というものです。 現在の経済状況では、予算の監視がますます厳しくなっています。リニアTVの広告費が減少している一因は、測定が難しいことです。4 これは実際のところ、CTVの成長を加速させているもう1つの要因でもあります。CTVは本質的にテレビの大画面のリーチと有効性と、デジタルの測定可能性という2つの長所を兼ね備えています。

2023年に向けて、ストリーミングとCTVの今後の展望を教えてください。 今後どのようなトレンドが予想されますか?また、ブランドが翌年に備えるためにできることは何ですか?

誰かが「予測するのは難しい、特に将来については」と言ったことがあります。 予測は難しいですが、ブランドはクリーンルームを綿密に実験する必要があります。 クリーンルームは、プライバシーに配慮したテクノロジーを採用しており、広告主様によるプランニング、インサイト、効果測定分析がより柔軟に管理可能となります。このテクノロジーは、広告のアドレサビリティの変化を考慮した場合、特に役立ちます。

スポーツ広告からインタラクティブ広告まで、ブランドがストリーミングを通じてオーディエンスとクリエイティブにつながる方法は数多く存在します。特に気に入っているプロダクトは何ですか?また、ブランドがこれらのプロダクトを効果的に利用し、消費者にリーチするにはどうすればよいでしょうか?

私が非常に期待を寄せている分野の1つは創造性です。ストリーミングTVにより、クリエイティブアセット、イノベーション、カスタマイズを推進する新しい機会が多く生まれます。ブランドは、適切なクリエイティブ、適切なタイミング、適切な瞬間、適切な頻度で、オーディエンスにリーチしたいと考えているため、機会は無限大です。また、クリエイティブアセットは効果的にお客様に働きかけ、「買い物かごに追加する」などのアクションや、QRコードなどで情報を入手するのをサポートする手段にもなります。このように、インタラクティブ広告は、お客様とブランド間の関係性を変える可能性を秘めています。

ストリーミングの専門家でいらっしゃいますが、最後に、最近見た中で特にインパクトのある広告を教えてください。

ストリーミングTVの専門家として、私はストーリーテリングの力を心から信じています。広告は多くのオーディエンスに届きます。長編動画は非常にインパクトがあり、消費者にインスピレーションを与える力があります。より良い社会づくりに向け広告に注力しているブランドには、心からの拍手を送ります。彼らはメディア資金を費やし、主にストリーミングで非常にインパクトのある動画広告を配信しています。その広告では、強力なメッセージを伝え、ジェンダー平等や「ブラック・ライブズ・マター」、LGBTQ+の権利などの重要な理念を支援しています。

1 Statista、米国におけるコネクテッドTVの広告費、2022年10月
2 Statista、米国におけるリニアTVの広告費、2022年10月
3 Statista、米国におけるコネクテッドTVの広告費、2022年10月
4 Insider Intelligence、2022年4月