事例
Sony Pictures EntertainmentとAmergeは、AMC分析を利用して映画の広告パフォーマンスと効率を向上させる
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目標
- 適切なオーディエンスに適切なタイミングでリーチするよう広告アプローチを最適化する
- さまざまな広告チャネルがどのように相互に影響し合っているかを把握する
- リリースサイクル全期間を通じて映画広告の効率と効果性を向上させる
アプローチ
- 6つのAmazon DSPエンティティからデータを収集
- Amazon Marketing Cloudを利用して詳細な分析を実行
- ダイレクトリマーケティングとクロスキャンペーンリマーケティングの取り組みを実施
- 広告の露出とエンゲージメントを最適に維持するためのフリークエンシーキャップを確立
結果
- 半月の予算調整後、コンバージョン率が190%向上
- 月平均と比較して、コンバージョン単価が68%減少
- Amazon DSPインプレッション1件後にコンバージョンが6%増加
- 2023年10月から2024年1月までのユニークユーザー単価を40%削減
映画のライフサイクルには、最初の映画館での映画公開、物理メディアの製品リリース、デジタルリリースという複数の段階があります。各段階で、対象オーディエンスに効果的にはたらきかけるためのカスタマイズされたアプローチが必要です。
そのため、多国籍企業であるソニーグループの子会社であるSony Pictures Entertainment(SPE)は、コストと効果のバランスを取りながら、各段階に合わせて広告戦略を調整することを望んでいます。これには、チケット販売、物理メディアの購入、デジタルレンタルやサブスクリプションを促進するため、オーディエンスの好みを把握し、チャネル全体で広告掲載を最適化し、適切なメッセージを適切なタイミングで配信する必要があります。
2000年代初頭、SPEはAmazonで物理メディアを出品し始めました。それ以来、同社はAmazon DSPやFire TV広告など、さまざまなAmazon Adsの広告プロダクトを採用し、リリースサイクル全期間を通じて映画を宣伝してきました。しかしながら、SPEはこのアプローチをいっそう効率的かつ効果的にすることを望んでいました。
AMC分析を利用してクロスチャネル広告の影響を把握する
2023年8月、SPEは目標の達成に役立てるために、Amergeと契約しました。Amergeは、売上の促進、運用コストの削減、新しい地域や新規オーディエンスグループへの拡大を通じ、クライアントがAmazonで持続可能な成長を達成できるよう支援するAmazon Adsパートナーです。このチームは、特にドイツにおいて、さまざまな広告チャネルがどのように相互に影響し合い、映画を購入またはレンタルするお客様の決定に影響したかを把握したいと考えました。
Amergeは、SPEのいくつかの部門と外部パートナーによって監督されている6つのAmazon DSPエンティティからデータを収集しました。次に、Amazon Marketing Cloud(AMC)を利用して、以下の分析を実施しました。
- さまざまなAmazon DSPアクティビティのグループ化
- デバイス別のコンバージョンに至る経路
- コンバージョンまでの所要期間
- キャンペーンタイプ別のコンバージョンに至る経路、広告費用、ユニークユーザー数、商品購入数、購入率、広告売上、広告費用対効果(ROAS)などの追跡指標
- ラストタッチ、リニアタッチ、ファーストタッチを含むマルチタッチアトリビューション
- すべてのキャンペーンタイプにおけるユニークユーザーの重複とリーチ
- すべてのAmazon DSPアクティビティのインプレッション頻度
お客様にはたらきかけるためのデータ主導戦略の実施
Amergeは、AMCの分析から広告費の19%が1回目から2回目のAmazon DSPディスプレイ広告キャンペーンのコンバージョン経路に割り振られたことを把握しました。このキャンペーンは、ユニークユーザー総数の22%にリーチし、全広告売上の16%を占めていました。1 リニアマルチタッチアトリビューションでは、SPEの広告売上のうち、最初のAmazon DSPディスプレイキャンペーンとFire TV広告キャンペーンがそれぞれ41%と28%を占めたことも判明しました。2
また、この分析では、2つ以上のキャンペーンに反応したお客様は、1つのキャンペーンでしかつながらなかったお客様と比較して、コンバージョン率が93%高いことも判明しました。3 このデータから、TVデバイスを介してコンバージョンしたお客様は、デスクトップでコンバージョンしたお客様と比較してROASが高く、TVで広告を見たお客様はコンバージョン率が129%高いことが明らかになりました。4 同様に、スマートフォンやタブレット端末で広告を見たお客様は、コンバージョン率が216%高くなりました。5
これらのインサイトに基づいて、AmergeはSPEのためにアクションプランを考案しました。同社は、プレリリースからリリース後のアクティビティまでダイレクトリマーケティングを実施し、キャンペーン横断的なリマーケティングの取り組みを確立しました。オーディエンスに広告が集中し過ぎないようにフリークエンシーキャップを設け、ユニークユーザーに広告が表示される回数を制限しました。また、Amergeは、Amazon DSPキャンペーンの焦点をスマートフォンとタブレットデバイスに移しました。
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Amergeチームが提供してくれた詳細なAMC分析には非常に感銘を受けました。「キャンペーンタイプ別のコンバージョンまでの経路」分析では、お客様が映画を購入する前に接したさまざまなタッチポイントが明らかになり、アッパーファネル広告とロワーファネル広告の両方が重要であることが証明されました。
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— Sony Pictures Entertainment、デジタルGSAディレクター、Jürgen Thumm氏
AMCインサイトを活用して映画の広告パフォーマンスを向上させる
AMC分析から得たインサイトを活用して、SPEのコンバージョンと広告効率は大幅に向上しました。フリークエンシーキャップの推奨事項を実施することにより、広告の露出とエンゲージメントを最適なバランスに維持することができました。結果として、2023年10月から2024年1月にかけて、わずか1回のAmazon DSPのインプレッションでコンバージョンが6%増加したのです。6
SPEのデータ主導の最適化への取り組みは、さらなる向上につながりました。半月のAMC分析に基づいて、SPEは2023年12月に予算配分を戦略的に調整しました。この最適化により、月平均と比較してコンバージョン率が190%向上しました。7 さらに、コンバージョン単価は68%減少しました。8
今後、AmergeとSPEは、アプローチの最適化を進めるために、広告パフォーマンスとお客様の行動を引き続きモニタリングしていく予定です。AMC分析を活用して、コンバージョンに至る最も好結果を得る経路を探り、Amazon DSPを使用してそれらのジャーニーを活性化することを計画しています。
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当社は、可視化し、わかりやすい方法で提示されたAMCデータを整理するだけでなく、それ以上のものをクライアントに提供します。当社のコンサルティングとさまざまな分析により、AMCが提供するチャンスを十分に把握し、クライアントがそれに応じて戦略を合わせることができるよう支援します。
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— Amerge、エンターテインメント担当グローバルカテゴリーリーダー、Meriam Sodergren氏
1~8 Amerge、ドイツ、2023年